10月31日
俺にとっちゃぁなんて良い日なんだろう



俺様流はろうぃん



今日は港の南蛮人達がやけに騒がしい。
燈色のでっかい変な置物(?)を飾ったり、訳のわからねぇ歌うたったり…。
あいつら、ついに頭いかれちまったのか?


…いや、でもつい先日片言で話すの南蛮人が、10月31日は確か、はろうぃん(こんな発音だったはずだ)だかなんだか言ってた気もするんだが…。
その"はろうぃん"ってやつを俺はなんだかよく知らねぇが、なんだか面白そうじゃねぇか!


「…で、そのHalloweenってのが何なのか知るために俺を呼んだってワケか…。」

「おぅよ!俺の知ってる奴で、そうゆう南蛮流の祭事知ってンのはお前しかいねぇからなぁ、政宗。」

「You're kidding (※正気か)?俺はお前のそんなしょうもない理由で何日かけて来たと思ってるんだ!Do you understand it (※分かってるのか)?」

「まぁ、落ち着けや。俺だってわざわざ来て貰って悪ぃと思ってっから、こうして高い酒用意してもてなしてるじゃねぇか。」

「もてなしてる…て言われても、girlがいねぇってのがいただけねぇな。」


政宗の野郎と他愛ねぇ話に花を咲かせていると…来たみたいだな。


「失礼します。」

「お、来たか。上客がお待ちかねだぜ、。」

「It is after a long absence(※久しぶりだな)。 元気にしてたか?」

「えへへ、政宗様もお変わりないようで。」


が現れた途端、この野郎…上機嫌になりやがって。
だが、今日はこいつと喧嘩をするんじゃねぇ。"教えて頂く"んだ。
本来なら冴の酌は俺専用だが、仕方ねぇ。政宗の機嫌取りといくか。


「にしても、突然ここにいらっしゃるなんて。どうかしたんですか?」

「まぁ、ちょっとした野暮用ができてな。序でに寄ってみた。O.K?」


流石独眼流!俺が本来の目的は言うなと言ったのをちゃんと守ったな。
まぁ、少し冴に近づきすぎなのも多めに見てやるか。


「それだったら、もう少し早めに知らせて頂ければ、もう少しましなもてなしが出来たのに…。」

「Don't mind it (※気にするな)。俺はHoneyのその気持ちだけで十分さ。」


二人がやけに楽しそうに笑う…。
我慢だ、元親!ここで怒れば何もかも台無しだぞ。
耐えろ…耐えろ!


「本当の理由、知りたいか?」

「ぇ…?」


あ、の野郎!まさか、あれだけ頼んでおいたことを…!
にばらすつもりか!
こっち見てニヤニヤしやがって!

俺が真っ正面で青筋立てているのを横目に政宗は冴に何かを耳打ちした。
するとの顔がみるみる赤くなっていく…。
俺は鬼だ!もう耐え切れねぇ!!


「ゴルぁ!!政宗ぇ!てめ、人の女に何吹き込みやがった!!」

「I don't know it(※しらねぇな)。夢でもみたんじゃないのか?」

「嘘つけ!てめ、あれだけ本当のこと言うなって俺が頭下げてまで頼んだってのによ!」

「ぇ…?本当のコトって?だって、元親は私の顔毎日見てるじゃない。」


へ…?毎日見てる?俺の顔?
一瞬思考が停止する。
政宗が俺を見て相変わらずニヤニヤ笑っていやがる。


「毎日って、全然意味わかんねぇぞ。おぃ!!、お前なんて言われたんだ?」

「「 Your face wanted to look. 」」


二人の声が見事にハモった。…俺は馬鹿か?
ってか、南蛮語なんてわかんねぇけど、俺が口止めしたことは言ってないってのは分かった。


「政宗…、俺もぅ一生日本人でいいぜ。」

「Don't mind it (※気にするな)。日本に生まれたからには、俺たちは一生日本人だ。」


情けねぇ…。
毎日のように馬鹿だ馬鹿だと冴に言われるが…。
俺自信、こんなに馬鹿だったとは、思ってもみなかった。


「元親、元気出して?間違えは誰にでもあることだよ?」

「That's right(※その通り)!元親、あんま自分を責めるな。」


ここまで慰められると、なんだか俺がとんでもねぇ間違いを犯したみてぇじゃねぇか!
なんか、こう…。例えようがないモンが沸き出してくる感じだぜ!


「おい!独眼流!!町に宿がとってあるからさっさと寝ろ!んで明日とっとと帰れ!」

「こら!元親!!そんな言い方しちゃ駄目でしょう?」

「いいさ。俺もそろそろ帰るつもりだったからな。」

「おーおー。じゃぁさっさと帰れ!じゃねぇととって喰うぞ!!」


そう言うと政宗の野郎は腰をあげて襖の方へ歩いていった。
が、前で止まり顔だけこちらへ向けてニヤっと笑った。
…嫌な予感がする。


「ところで元親。Halloweenのことは聞かなくて良かったのか?」

「へ?ハロウィン?」


このやろ!やっぱり最後に言いやがった!!
しかも、妙に勝ち誇った顔しやがって!ここが城(最上階)じゃなけりゃぁぶっ飛ばしてやるのに…!


「もぅその話はいい!さっさと帰れぇー!!」

「ははははは。んじゃ、次逢うときまで元気でな。See you .」


そう言うとあの野郎は早々と去っていった。
微妙な空気が流れるこの部屋に残ったのは俺とで二人っきり。
俺たちの関係上、このまま甘い時間を過ごしてもなんら問題はないが…
問題があるっつたら、の異常なまでの好奇心に満ちた目だ。


「ねぇ、元親!ハロウィン、ハロウィンだよ!今日はハロウィンの日だよ!!」

「だぁー!もうその話はいい!俺は日本人だ。南蛮野郎の祭事なんて参加しねぇぞ。」

「でも、ハロウィンだよ?お菓子いっぱいもらえるんだよ?ちゃんとあげないといたずらされちゃうんだから!」

「アァン?菓子をやらねぇといたずらだぁ?」


その言葉に俺の好奇心が揺らいだ。
ってか、!お前、はろうぃんのこと知ってンのかよ!!


「うん。10月31日の夜にね、子供達が鬼や幽霊の格好して各家を一軒一軒まわって、南蛮語でTrick or Treatって言いまわるの。」

「おぅ…。で?どうすんだ?」

「でね、その家の人は子供達にお菓子をあげるの。日本で言ったら、お盆前の催し物なのかな?」

「よく知ってるな。」


そう言うとはふふんと笑った。
あぁ…こいつの笑顔が一番癒されるな。


「政宗様に教えて貰ったんだ。」

「………ほーぅ。」

「え!何!?私何か悪いこと言った?」


俺の態度ががらりと変わったのに気付いたは、ワタワタと慌て始めた。
だが、もう遅いぜ?お前は鬼の心に火をつけちまったからな!


「俺は鬼だ、。いたずらされたくなかったら菓子出せや。」

「え!急にそんなコト言われても、私今何も持ってないって!」

「いや。いいもん持ってるぜ?冴。俺にとっての最高の菓子がな。」


俺がそう言うとこいつは辺りをきょろきょろしだした。
くくく…全く、鈍い奴だ。
自分の置かれてる状況をてんで理解してねぇな。
さぁ、。もう逃げ場はないぜ?


「ここに…。俺しか喰っちゃいけねぇ奴がいるだろ?」

「へぇ?」

「…。Trick or Treat ?」



その後のコトは言うまでもなく、ちゃんと美味しく頂いてやったぜ!
これが俺様流はろうぃんってことよ!はっはー!







てふてふ銀座様でハロウィンフリー夢を強奪してきました!
余裕な政宗と拗ねたアニキ・・・ご馳走様ですv
嫉妬にかられた鬼が愛おしくて仕方ない!!!
 
06/10/31 










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